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ベースマップの総描を実施する際、削除という処理方法が有効であることは間違いありません。もちろんあくまでも図的処理であり、データそのものを削除するという意味ではありませんし、統計量の伝達を阻害するような削除であってはなりません。簡単に言えば、煩雑にならないようにするだけのことです。ただ「統合」という処理方法は、削除よりもさらに注意を要します。「統合」とは、面同士をくっつけて一つの面にしたり、屈曲を修正したりすることです。データの特徴とも関連するので、過度に統合してしまうのは危険だと認識するようにしましょう。

さて、地図にみられる「注記」について、詳しく説明することにします。注記と聞いて、或いは見て、どのような意味か分からない人はいらっしゃらないでしょう。しかしその理解は地図における注記の表面的な理解に過ぎません。地図記号に添えられた文字、数字を指すのですが、等高線の数字等は別としても、それ以外は全て固有名詞であることに注意して下さい。例えば郵便局のマークに注記が添えられている場合、そこにはその郵便局の固有名詞が書き入れられています。凡例ではそのようなことはなく、あくまでも郵便局のマークが郵便局を意味することのみ伝えています。では「国道1号線」のような注記はどう捉えるべきでしょうか。これも固有名詞であることに間違いはありません。国道1号線という名前の道路は世界に一つしかないからです。しかしこの「注記」には、さらに複合的な意味が隠されています。それは、「国道」という普通名詞をも意味するということです。普通名詞と地図記号との結びつきは通常、凡例の役割ですし、一般図の図式が頭に入っていれば、説明が無くても認識できるのですが、例外の可能性が無いわけではありません。ですから注記が凡例や一般図式の役割をも担っているのです。