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江戸散歩地図作成では、【干潟】について、東京の沿岸沿いの風景を追ってみたいと思います。皆さんは、「干潟」についてご存知ですか?少し若い世代の方ですと、「干潟」を見た事もないという人々がいる可能性もありますよね。それほど「干潟」は東京近辺から姿を消し、過去のもというよりは、過去にそのようなものが存在したことさえも、知らされていない傾向が見受けられます。現在の東京湾は、埋め立てによって、江戸時代の東京湾の姿からは、想像もできないような変貌を遂げてきました。おそらく江戸の人々が、現在の東京湾を眺めたら、そこが「江戸」であったとは、気づきもしないのではないでしょうか?そういった点から東京湾を見渡すと、そこにあったはずの「干潟」の存在が、魔術師のように消え去っているという現実があります。

 

【干潟】

河口部や海岸付近に潮の満ち引きによって、満潮時は海面下に、干潮時には干上がる砂や泥の浅場。干潟の役割として、海や川の水質の浄化、生物の維持、波浪の防御などがあげられますが、干潟は生命が生存していく自然界の根元的な役割を担う場所としても良いほどの、重要な役割を果たしている領域となります。分かりづらい表現かもしれませんが、例えば、私達の生活に必要不可欠な「水」が濁っていては、皆さんは飲み水としては飲みませんよね?濁った水を飲めるようにするには、どうしますか?自然界の中では、そのような綺麗な水を生み出す努力を、私達、人間が見ていないところで、人知れず行っているのが自然界であり、干潟は自然界の一部になるのです。その干潟が、東京近辺から姿を消しているのですから、その事実を、多くの人々が知る必要性があるのではないかと考えています。

 

江戸散歩地図作成中では、江戸時代の海の幸が、東京湾の干潟から、豊富にもたらされていたという事実を追ってみました。