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オリジナルの地図作成を始めてから、休日の楽しみが倍増している日々です。子供の頃から、地図を見る事が好きではあったのですが、自分で地図を作成してみようと思ったのは、中学に入学した年の1年目であったと思います。その時に、学校中でトレーシングシートが大流行した年でありまして、学校中の生徒たちが、思い思いのものをトレースしていたのを思い出します。最近は、トレーシングペーパーと呼ぶのだそうで、何気に立ち寄った文具屋さんなどで見かけると懐かしくて、思わず手にとってしまう事もあります。クラスメイトたちが、思い思いに、アニメや漫画のトレースをする中、私は一人、トレーシングペーパーで地図作成を行っていました。日本地図や世界地図を、一人黙々とトレースしては満足しながらニヤけていました。透明のファイル式の下敷きには、自分のトレースした地図を入れる事が、何と言っても私のステータスを確立する唯一の品であったように思います。運動神経も勉学も常に中間管理職的なポジションにいた私は、全くといって良いほどクラスの中では、陽の目をみない存在でした。そんな私が大学の地理研究会の後輩と、10年間、結婚を前提に付き合い、長すぎた春と言われながら昨年、結婚を迎えました。念願のマイホームを手に入れ、新居への引越しのお知らせハガキを手作りしてみよう思った時に、地図作成の血が騒いでしまいました。地図作成のガイドBOOKを頼りに自宅のパソコンで、新居のお知らせハガキ作りをしてみると、地図作成は案外簡単で、当初の意気込みとは異なり、肩透かしをくらってしまったほどお手軽に感じましたが、その作業の工程に、中学生時代に地図をトレースしながら得た快感とも言うべき、恍惚感が再びよみがえってきました。私にとって地図作成は、青春のフレーバー的な、甘みと苦味とフレッシュさを一気に思い出させてくれるタイムマシーン的な時間を過ごさせてくれるひとときなのです。